ツイッター上でどのような話題が盛り上がったかを示す指標として、“ツイート・パー・セカンド(TPS)”という計測方法があります。これはその名の通り、ある話題に関して1秒間にどのくらいのツイートがされたかを示します。このTPSの最高記録が先日、日本発で塗り替えられました。
12月9日に日本テレビの金曜ロードショーで放送されたスタジオジブリの「天空の城ラピュタ」の放送の際、映画クライマックスの「バルス」のシーンで、ツイッターユーザーが一斉に「バルス!」とツイートしたというのです。
とても多くのツイッターユーザーがテレビの前で息をつめてこの瞬間を待っていたかと思うと、日本のツイッター利用者の心意気というか、ジブリの影響力というか、ソーシャルグラフが紡ぎだす強大なパワーをヒシヒシと実感します。これもビズ・ストーンが言っていた「Triumph of humanity」なのかどうかは議論の分かれるところでしょうが、人間の感情の発露を妨げないツイッターの軽快さの現れであると思います。
ツイッターの過去のTPS世界記録を見てみましょう。こちらにツイッター社が発表したデータがあります。
ツイッターという情報発信は日本人の感情表現にとてもマッチしているツールのようで、ツイート世界記録更新は今までも日本の話題が多かったのです。
たとえば去年のワールドカップ日本対デンマーク戦のときに、深夜、遠藤選手がフリーキックでゴールした直後、3283TPSを記録しました。それから、昨年末は「新年明けましておめでとうございます」という挨拶をツイッターでする人が非常に多くいて、6939TPSが出ました。昔はこれを携帯電話でやって、携帯がつながらなくなって「不要不急のメールはやめて下さい」とドコモが言っていたのですが、それを今はツイッターでやることが、トレンドになったようです。
次は、やはり3.11、東日本大震災のときにみんなが安否確認をして、5530TPSとなりました。その後、7月18日になでしこジャパンが優勝したときに7916TPSが記録されました。
直近の世界記録は、MTVビデオミュージックアワードの中で、ビヨンセが「私は妊娠したのよ」と言った瞬間で1秒間に8868ツイートを記録しましたが、今回の「バルス」はこれを大幅に更新したわけです。
この数字を見ると、今年の大晦日は「あけおめ」で、いったいどのくらいのTPSを記録するのでしょうか? とれとも「バルス」は別格でしょうか? とても楽しみです。