日本でもいよいよネットによる選挙活動が認められる見通しになってきました。
現時点ではまだ勧誘メールの利用条件であるとか、ネット広告の活用範囲であるとかいくつかの検討部分はあるようですが、ホームページやソーシャルメディアの選挙期間中の更新については、解禁の方向で各党一致しているようです。
候補者自身が有権者に直に語りかけて対話するための道具として、ホームページはもちろんのこと、ツイッターやフェイスブックを活用することは、今の時代もっとも効率的で本質的な選挙活動であると私は思います。今回の改正で、広く国民の声を聴き、国民に信を問うという選挙のあるべき姿が、より一層自然に達成されるよう、晴れてソーシャルメディアのポテンシャルを活用する時代が来たといえるでしょう。
今後ソーシャルメディアの活用は選挙活動の有力な武器になると思います。
しかし、上手に活用できない候補者は思わぬ苦戦を強いられることになるでしょう。
ソーシャルメディアのなかで選挙や政治が語られる時代、政治家自身がソーシャルメディアに対応しないで、私には関係ないと背を向けていては、有権者とふれあう機会を自ら放棄してしまうことになるからです。
では、政治家や候補者はこれからやってくる、ツイッター選挙やフェイスブック選挙の時代にどのように向き合えばいいのでしょうか? 以下思いつくまま、いくつかのポイントを書き出してみました。
●有権者と誠実に継続的に向き合う覚悟をもつ。
ソーシャルメディアは選挙の1ヶ月前に立ち上げて、当選したら運用を中止するというわけには行きません。つまりはじめたら最後、有権者との窓口を閉ざさず、ずっとお付き合いを続けていくという覚悟が必要なのです。
●政治家として、有権者の役に立つ情報を発信する。
政治家ですから、そのキャラクターや親しみやすさをアピールするような面白いネタも、時には有効です。しかしせっかく、ソーシャルメディアというとても情報伝播性の高い媒体を活用するのですから、是非ともツイッターならリツイートしたくなる話題、フェイスブックなら「いいね」や「シェア」をしたくなる情報を投稿したいものです。
●有権者と裸の付き合いをする。
また、ツイッターもフェイスブックも、大手企業が立ち上げるお金をかけた立派なウェブサイトのような、「この人は何かやってくれそうだ。期待できる」という見栄えにするという小細工は通用しません。ツイッターのタイムラインもフェイスブックのウォールも大物政治家だからといって、一般の人と比較してヴィジュアル的な優位性はなんら演出できません。
政治家や候補者が運営するソーシャルメディアの価値とは、フォロワー数(「いいね」の数)や投稿するコンテンツのクオリティなど、いうなればメディアとしての本質的な力なのです。つまり「裸の付き合い」が求められます。
●自分で運用する。
ツイッターもフェイスブックも自分で日常的に運用してこそ、そのメディアパワーを実感できるのです。政治家や候補者自身が毎日自分の目でタイムラインやウォールをチェックして、有権者の声に耳を傾け的確にコミュニケーションを図っていく。そしてそれらの対話を通して、自らの選挙活動の効果的な戦術を定めていく。
選挙事務所のスタッフに任せきりにしないで、政治家自身がソーシャルメディアに対面し、それを主導していくことが重要です。
私は以上の書いてきたような点に注目しながら、次の参議院選挙に向けてのソーシャルメディア動向を日々観察していこうと思っています。